
不動産売却の流れ
不動産売却の流れ
不動産売却を成功させるためのステップガイド
Step1:売却相談・条件整理
不動産を売却することを決めたら、まずは不動産会社に相談します。
売却の目的と条件の整理: なぜ売るのか(住み替え、相続、資金化など)、いつまでに売りたいか、住宅ローンの残債があるか、希望の売却価格などを不動産会社に伝えます。
- 査定依頼:不動産会社は、物件の所在地、築年数、広さ、間取り、周辺の取引事例などをもとに、査定価格を算出します。この査定価格は、物件が市場で売れる可能性の高い価格の目安となります。
- 不動産会社の選定:複数の会社に査定を依頼し、その価格や提案された売却戦略、担当者の対応などを比較して、信頼できる不動産会社を選びます。
Step2:売却不動産の事前調査
選定した不動産会社が、売却予定の物件に関する詳細な調査を行います。
- 物件調査:登記簿、公図、都市計画図などの公的な資料を確認し、権利関係(所有権、抵当権など)や法的な制限(用途地域、建ぺい率、容積率など)を調べます。
- 現地調査:実際に物件を訪問し、建物の状態、設備の状況、周辺環境などを確認します。
- 重要事項説明の準備:これらの調査結果は、後ほど買主へ提示する重要事項説明書の作成に必要な情報となります。
Step3:媒介契約の締結
不動産会社に正式に売却活動を依頼するため、媒介契約を結びます。
売出価格の設定:査定価格や市場動向、売主の希望を踏まえて、最終的な売出価格を決定します。
- 媒介契約の種類:媒介契約には主に「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、それぞれ契約期間や依頼できる不動産会社の数、不動産会社の報告義務などに違いがあります。
- 契約の締結:契約内容を十分に理解し、不動産会社と正式に契約書を交わします。
Step4:売却活動〜購入申込み
媒介契約に基づき、不動産会社が本格的な売却活動を開始します。
広告活動:インターネットの不動産ポータルサイトへの掲載、チラシの作成・配布、指定流通機構(レインズ)への登録などを行い、買主を探します。
内覧(見学)の対応:購入希望者からの内覧希望に対応し、不動産会社が立ち会いのうえで物件を見学してもらいます。売主は、内覧に備えて物件をきれいに保つなどの準備をします。
購入申込み:購入したいという買主が現れると、購入申込書(または買付証明書)が提出されます。ここには、希望価格や引渡しの条件などが記載されています。
- 交渉:売主と買主の間で、価格や引渡し時期、付帯設備など、売買条件の交渉を行います。
Step5:売買契約
売主・買主双方で条件が合意に至ったら、売買契約を締結します。
重要事項説明:契約に先立ち、不動産会社の宅地建物取引士が、物件に関する重要な事項(権利関係、法令上の制限、取引条件など)について買主に説明します。
- 契約の締結:売買契約書の内容を確認し、売主・買主が署名捺印します。
- 手付金の受領:買主から売主へ手付金が支払われます。この手付金は、契約が成立した証として、また、後の契約解除の権利にも関わる重要なお金です。
- 仲介手数料の支払い:不動産会社に仲介手数料の半金(または全額)を支払うのが一般的です。
Step6:残代金受領と引渡し
売買代金の清算と物件の引渡しを行い、売却手続きが完了します。この手続きは「決済」とも呼ばれます。
必要書類の準備:登記に必要な書類(権利証、印鑑証明書など)、実印、鍵などを準備します。
決済:金融機関などで行われることが多く、以下の手続きが同日に行われます。
- 残代金の受領:買主が住宅ローンなどを実行し、残りの売買代金を売主に支払います。
- 登記手続き:司法書士に依頼し、所有権移転登記(売主から買主へ名義変更)と、売主の抵当権抹消登記(住宅ローンが残っている場合)の申請手続きを行います。
- 諸費用の精算:固定資産税や管理費など、引渡し日を境に日割りで負担額を清算します。
- 鍵と書類の引渡し:売主から買主へ、物件の鍵や各種設備の取扱説明書などが引渡されます。
- 仲介手数料の支払い:残りの仲介手数料を不動産会社に支払います(契約時に全額支払っていない場合)。
これで、不動産の売却手続きはすべて完了となります。
【ワンポイント】
- 確定申告の必要性:不動産の売却が完了した後、翌年の確定申告で譲渡所得(売却益)を申告する必要があります。これは、売却年の翌年2月16日〜3月15日までに行う重要な手続きです。
- 信頼できる相談相手:不動産売却は大きな取引です。信頼できる不動産会社と相談しながら進めましょう。
まとめ
不動産売却は複雑なプロセスに見えますが、適切なステップを踏み、信頼できるパートナーと共に進めれば、安心して完了できます。
- 計画的な準備が重要:売却相談から条件整理、事前調査を通じて、売却の全体像を把握し、具体的な計画を立てることが成功の鍵です。
- 専門家との連携が不可欠:不動産会社との媒介契約、売買契約、そして決済・引渡しに至るまで、専門家のサポートを最大限に活用しましょう。
このガイドが、あなたの不動産売却をスムーズに進める一助となれば幸いです。





